女将 髙橋 和江
25年も前のことです。着付け教室でいわゆる『角だし』という帯の結び方を習いました。似よりの結び方に『銀座結び』『引き抜き』などありますが、いわゆる下の方でふっくらとやさしいラインを見せてくれる、あの結びです。
ちょうどその頃、日本アカデミー賞の授賞式に、田中裕子さんが無地の着物に優しい色合いの袋帯をその結びで登場!今でも目に焼き付いているほど素敵な着物姿でした。
ところでその角だしですが、私は新聞紙を畳んで帯まくらの代わりにするよう習いました。この結びは下はふっくらで上はシャープにきりっと低く、そしてまっすぐ背中についているのが特徴ですよね。人によっては帯揚げのみで結ぶ方もいらっしゃいますが、慣れないと不安定な感じがするのではないでしょうか。
そのあこがれの帯結び用の帯まくらが今だにない!ということが不思議でした。きっと不自由を感じている方も多いのでは?と思い、制作することに致しました。さまざまなウレタンを硬度、厚さにおいて試し、これ!というものを『オリジナルまくら紐』と同じ素材で作り入れました。
紐は洗えるようウレタン部分は取り外せるようになっています。またこの帯まくらは『後見結び』や太鼓を作るときの仮紐代わりにも役立ちます。